アキハバラ@DEEP

アキハバラ@DEEP (文春文庫)

アキハバラ@DEEP (文春文庫)

アキハバラに生息する七人のオタクが、各々が持つ"欠点"を乗り越えてお金に目が眩んだ大人たちに宣戦布告するという青春小説。読んでて宗田理さんの名作「ぼくらの七日間戦争」を思い出した。ちょうどあれをインターネットを使って現代風にアレンジした感じ。石田衣良さんの作品は初めてということで、若者の青臭さと大人の汚さが顕著すぎて少しわざとらしいのと、クライマックスが盛り上がりに欠けるのが残念でしたけど、全体的には面白い。何よりインターネット、と言うよりWeb2.0の使い方が巧い。SFのようにぶっ飛んだりはせず、現実に数年後には登場しそうなサービスを扱うことによって話の設定が支離滅裂にならずに引き締まる。インターネットに弱い人でも取っ付きやすい。良くも悪くも「ぼくらの七日間戦争」同様、読書初心者向けの一冊でした。

「ヨーロッパ、アメリカ、アジア、アフリカ。光の速さで世界中のネットを泳いでいたと思います。こっちの世界で生きてるのもまあ悪くないけど、プログラム情報体としてネットのなかに生きるのは、もしかしたらもっと楽しいかもしれません」

「ak;r/58q\^hw?%s#!」