トゥモロー・ワールド

人類が生殖機能を失ってから18年。もはや子供は生まれず、テロ行為が日常的に起こり、疫病が蔓延し、世界は終焉に向かおうとしていた。そんな中、主人公セオの元に一人の黒人女性が現れる。一人の妊婦が……という近未来SF映画。先進国で出生率が低下する今、生殖機能が失われるというなかなか笑えない設定に惹かれた。世紀末的な世界に引き込まれるが、ただ子孫が残せないという特異な制約がイマイチ伝わってこない。なんて言うか、そう意識していないと忘れてしまう。そこがちょっと気になった。全体的にはまあ普通のSF。カメラの“長回し”は革命的だったが。


以下ちょっとネタバレ。


少しだけ深読みすると、これはキリスト誕生をオマージュしているのかな、なんて思ったり。特に赤ん坊が生まれてビルから出てくるところで、人々が道を開けて赤ん坊を求めたのは救世主の誕生を意図しているような気がした。実際、その子はある意味人類の救世主となったわけだし。こういう見方もあるかもしれない。