鹿男あをによし / 万城目学
- 作者: 万城目学
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2007/04
- メディア: 単行本
- 購入: 6人 クリック: 409回
- この商品を含むブログ (493件) を見る
きちんと盛り場があって間違いなく良作の部類に入るが、個人的には森見さんのほうが好きです。文体が。構成は万城目さんのほうがうまいかな。
「あ、少し待ってくれ」
鹿が俄かに声を上げた。何事かと目を向けると、ぼろぼろと肛門から糞を盛大に吐き出した。草むらに転がる黒い斑点を、おれと堀田は黙って見下ろした。
用が済んだところで、鹿は濡れた黒い瞳を向け、力強い声で告げた。
「世界を救うんだ――先生」