失われた町 / 三崎亜記

失われた町

失われた町

30年に一度、どこかの町の住民が「消滅」する。


例えば死別という別れ方なら人々は悲しんだり、惜しんだり、思い出を語ったりできる。でも「消滅」した人々を悲しむことは許されない。なぜならそれは「町による汚染」を促し、それはやがて死に至るから。大切な人を失い、悲しむことすら許されない感情に抗いながらも、それぞれの生きる道を模索する人々の戦いを描いた作品。


ただの別れではない、「喪失」というテーマは面白いが、途中出てくる首都や町の中途半端な設定が余計かなって。全体的にまとまりに欠けるような印象でした。同じ作者さんの『となり町戦争』は名作だったのに。