凍りのくじら / 辻村深月

凍りのくじら (講談社ノベルス)

凍りのくじら (講談社ノベルス)

“少し不在”な主人公、理帆子の物語。全体的に重めの悲劇なんだけど、失踪した父の家族愛や奏でられる美しいピアノの旋律など、温かい光も射す。ただなんとなく自分の波長とシンクロしませんでした。

「ねぇ、本当に大事なものがなくなって後悔して、どうしようもなくなって。そうなった時、私は、それに耐えられるかなぁ?」
きっと耐えられない。私は既に、一人で結論を出していた。