それでも、警官は微笑う / 日明恩

それでも、警官は微笑う (講談社ノベルス)

それでも、警官は微笑う (講談社ノベルス)

この前読んだ傑作『ロード&ゴー』の日明さんの処女作。普通の警察小説だなあという第一印象のまま最後まで行ってしまった。でもこういった現場の警官が上層部に疑問を抱きながら犯人を追い詰めるいわゆる“踊る大捜査線”スタイルはどちらかというと新しいんだね。警察小説と言えば高村薫さんの『マークスの山』がまず思い浮かぶけど、あれも途中で挫折したんだった。どうも警察小説とは相性が悪いみたいです。

武本は二方向に歩き去っていく二人の背中をしばらく見送っていた。二人とも、背筋をしゃんと伸ばした堂々とした後ろ姿だった。やがて武本も池袋駅に向かって歩き始めた。