流星ワゴン / 重松清

流星ワゴン

流星ワゴン

テーマは「父と息子」。試験に出題されそうな正統派小説。たまにはこういった雰囲気もいい。息子のいる30代前半のパパさんに是非とも読んで欲しい一作でした。


私事だけど、うちの親父も単身赴任を繰り返す転勤族で、ほとんど一緒に何かをした思い出がなくて、お互いのプライベートのことはおそらく何も知らない。でも30歳のボーダーラインが見えてきたこの歳になって、少しずつ親父に興味が湧いてきた。自分の中と同じ血が流れる親父がちょうど同じ頃、何を想って生きていたか。自分に万が一いい人が見つかったら、そのときは紹介するついでにゆっくりサシで呑んでみようと思う。

「親子って、なんで同い歳になれないんだろうね」
「はあ?」
「どんなに仲の悪い親子でも、同い歳で出会えたら、絶対に友だちになれるのにね」
「……アホか、それができんのが親子なんじゃろうが」