チーム・バチスタの栄光 / 海堂尊 / ★★★★☆

チーム・バチスタの栄光

チーム・バチスタの栄光

医療モノと聞くとどうしても『白い巨塔』のような欲望渦巻く闇世界か、『ブラック・ジャックによろしく』のようなお涙頂戴を想像してしまうんだけど、本作は純粋なエンターテイメントでした。もちろん少なからずの権利闘争はあれど、どこかコミカルに描かれてる。登場人物それぞれに“肩書き”が与えられているのもうまいなあと思う。決して少なくない登場人物のキャラクターを見事に引き立たせている。マルチメディア展開しただけのことはあるなと思わせる作品でした。


個人的にひとつ気になっているのは、このミス大賞応募時は『チーム・バチスタの崩壊』という題名だったのに、出版時は『チーム・バチスタの栄光』に直されている。これは決して終わりではなく、未来のある話だということにしたかったのか。それともただ第2部への布石か。

「光には必ず闇が寄り添います。光をどれほど強めても、闇は消えません。光が強ければ強いほど、闇は濃く、深くなるでしょう」


(1/50)