キケン / 有川浩 / ★★★★☆

キケン

キケン

小説ならではの面白さこそなけれど、映像的演出と、圧倒的な勢いで理系男子の青春を描いた作品。実は有川浩さんのあとがきを読んでものすごく嬉しくなったんだ。そうなのよ。男子は、特に理系男子はみなそれぞれ【機研】を持ってる。それは女子禁制の、それこそ誰にも止めることのできない自由な世界(というよりも遊び?)。そんな【機研】を持った理系男子による理系男子のための物語でした。

「そしてみんな、爆発は好きか――――――――――!」

「俺、【機研】が好きだったんだ。ホントに」
昂った感情のまま喋ろうとした元山の唇を妻が人差し指で塞いだ。
「その気持ちは明日存分に味わってきて。あんまり聞くと男の友情に嫉妬しそう」


(3/50)