私の男 / 桜庭一樹 / ★★★☆☆

私の男

私の男

第138回直木賞受賞作。時間軸が逆行するように描かれたミステリー。テーマは「血のつながり」。


普通の小説が起承転結と展開するのとは違って、結からすべてが始まる本作はまだ見ぬ真実に向かってひた進むような作品ではなく、むしろ淡々と明かされていく哀しい事実に胸を締め付けられていく。ただ『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』を読んだときも感じたけど、やっぱり桜庭一樹作品には感情移入できない。文章力も構成力もある巧い作者さんだというのは感じられるけど、個人的に苦手なタイプ。ただ私の懐が狭いんだろうな。

骨に、なっても、ずっと淳悟といっしょにいたいの


(10/50)