八日目の蝉 / 角田光代 / ★★★☆☆

八日目の蝉

八日目の蝉

愛する人の子を誘拐した希和子と、生まれて間もなく誘拐された恵理菜。誰も幸せになれない選択肢を選んだ希和子と、自分の意志とは無関係に定められた運命を生きる恵理菜。八日目を生きる蝉の強さと哀しみを描いた作品でした。幸い平凡な家庭に育った私には感情移入こそできなかったけれど、自業自得とは言え、悲痛な想いだけが残りました。

八日目の蝉は、ほかの蝉には見られなかったものを見られるんだから。見たくないって思うかもしれないけど、でも、ぎゅっと目を閉じてなくちゃいけないほどにひどいものばかりでもないと思うよ。


(36/50)