折れた竜骨 / 米澤穂信 / ★★★★★

折れた竜骨 (ミステリ・フロンティア)

折れた竜骨 (ミステリ・フロンティア)

剣と魔法の世界を舞台にした本格ミステリ。魔術が存在することで一見成り立ちそうにもない推理も、真実と、それを導く強固たる論理の前では魔術ですら無力となる。『ペンは剣よりも強し』という言葉を思い出した。ファンタジーという相容れない存在と組み合わせることで、逆にミステリーの魅力を引き出した意欲作。もちろん、ファンタジーとしての世界観もしっかりと描き込まれていて、久しぶりに読み応えのある名作でした。

『何も見落とさなければ真実は見出せる。理性と論理は魔術をも打ち破る。必ず。そう信じることだ』


(37/50)