ジウIII 新世界秩序 / 誉田哲也 / ★★★☆☆

ジウ〈3〉新世界秩序 (中公文庫)

ジウ〈3〉新世界秩序 (中公文庫)

美咲と基子。まるで対照的な二人は一時期、特殊急襲部隊SATで切磋琢磨し合った仲だった。やがて二人の進む道は違い、二人の信じる道も決して同じではなかったが、しかし無法地帯となった歌舞伎町で二人は再び相まみえる。それぞれが自動小銃を持って――ジウシリーズ完結編。


あまり警察小説というジャンルに馴染みはないんだけど、テロだとか、銃撃戦だとか、腐った警察機構だとか、意外な大物黒幕だとか、そういったのがキーワードなんだろう。あえて二人の若い女性を主人公にし、ライバルとも親友とも言える二人の関係を織り交ぜることで格別のエンターテイメントに仕上げる。最後はしっかりとまとめてきました。

いまや歌舞伎町は、まさに暴挙の坩堝と化していた。
(中略)
とうとう、ミヤジの提唱する「新世界」が、地上にその姿を現したのだ――。

「この国のトップは、いつから危機管理においてまでアメ公と同じ発想をするようになっちまったんだ」
「いえ、ですから」
「終いの絵図だけ勝手に描きやがって、あとで犠牲者の数に見合うだけ警察幹部のクビ切って、それで帳尻合わせようって魂胆が見え見えなんだよッ」


(3)