幸せ最高ありがとうマジで! / 本谷有希子 / ★★★★☆

幸せ最高ありがとうマジで!

幸せ最高ありがとうマジで!

舞台はとある町の新聞販売所。「愛人です」。そう言って彼女は現れた。突如やってきた“不幸”に、平和に見えた日常が徐々に瓦解していく――第53回岸田國士戯曲賞を受賞した舞台を書き起こした作品。


久しぶりに触れた、本谷有希子節。ブラックユーモア満載、男と女の愛憎劇。むちゃくちゃだけど、爆笑してしまう。まさに「他人の不幸は蜜の味」。ああ、お芝居を生で見たかった!


劇団本谷有希子。今一番見たい劇団。

沙登子「だってお兄ちゃん、人生でなんもいいことないでしょう?お兄ちゃんがなんか生きてていいことあるといいなと思って……だからパンツくらい、女の子のパンツくらい見れないと可哀想じゃん!生きている意味ねーじゃん!(ハッと気づいて)……水ちょうだい!」

明里「オタクを見なさいよ。あれだけ蔑まれてたのに、今や完全に市場を開拓してるわよね。おかまを見なさい。集団で開き直ったことで国民的人気を得てる。ネガティブな印象さえ払拭すれば社会的弱者が立場を逆転させるのは不可能じゃないのよ。……数と認知度とイメージ操作。必要なのはこれだけ。分かる?山里、あんたがメルヘン界の、メンタルヘルス界の切り込み隊長になるのよ!」


(18)