腑抜けども、悲しみの愛を見せろ / 本谷有希子

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ (講談社文庫)

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ (講談社文庫)

清深(妹)と宍道(兄)と待子(兄嫁)の元に澄伽(姉)が帰ってくる。四度、本谷作品。


「絶望」を描きながら「家族愛」を表現するという、おなじみの本谷節。ラストの、砂上の楼閣を破壊するシーンがたまらないです。葬式から全てをはじめ、葬式で全てを終わらせるという構成がまたなんとも凝ってる。一つ欲を言ってしまえばやっぱり本来の舞台で見たかった。澄伽の感情に生で触れてみたかった。

「ほらね。やっぱりお姉ちゃんは四年経ってもお姉ちゃんだ。最高に面白いよ」


本谷作品オススメ順(現時点):

  1. 乱暴と待機
  2. 腑抜けども、悲しみの愛を見せろ
  3. 『生きてるだけで、愛』
  4. 『あの子の考えることは変』