独白するユニバーサル横メルカトル / 平山夢明

独白するユニバーサル横メルカトル

独白するユニバーサル横メルカトル

きた、衝撃作。


まず一言で言うとグロい。とにかくグロい。奇形とか、食人とか、解体とか。そういった単語だけで気分が悪くなる人にはまずオススメできない。と言うかそもそも相手が結構な読書家でない限り薦める気にならない。オレの場合、好奇心が恐怖に打ち勝った。


ただこういった自分の想像力では到底及ばない世界にこそ自分の求めている答えがしばしば存在するのもまた事実であり、読んでて気分が悪くなったり頭が痛くなったりする一方で、自分の脳内世界が広がっていく快感も同時に味わってました。そういった意味では『怪物のような顔の女と溶けた時計のような頭の男』が一番印象的でした。究極的に醜く、美しい。そして全体的にどこかレクター博士シリーズの世界に似ているなと思ったら、なるほど、一応そのオマージュらしい。

「ココ。哀しいことに君は想像力に欠けている。想像力は何が育む?知識と知性だ。君にはそれが欠けている。」


つまり「想像力は知識と知性の産物であり、その代償は恐怖」なのである。