みんないってしまう / 山本文緒 / ★★★☆☆

みんないってしまう (角川文庫)

みんないってしまう (角川文庫)

人生の転機というのは思わずやってくるもので、それはたいてい人とのちょっとした出逢いや別れがきっかけとなる。思えば、一人で生まれ、一人で死のうとも、私たちの人生は人間関係なしには成り立たない。やはり社会的動物なのだなあと。そんなエピソードを詰め込んだ短篇集。


個人的には『愛は財布の中にある』が好きです。はい。

誰にも私の気持ちなど分からないと、人を嘲笑してきた。では逆に私は他人の心の内を分かっていただろうか。
(中略)
言いたくない、が気づいて欲しいの裏返しなら、死んでしまいたい、は生きていたいということだろうか。


(31/50)