乙女企画クロジ☆第10回公演『異説 金瓶梅』


四大奇書の一つ、『金瓶梅』を題材にしたお芝居。地震の影響で延期となっていたのを一昨日観劇してきました。


稀代のプレイボーイである西門慶と、その第五夫人として嫁いだ潘金蓮のお話。ひとつ屋根の下に一人の男と八人の女が住む。そこは言うまでもなく、愛憎渦巻く場所だった。クロジお得意の、「男と女」をテーマとした醜い悲劇。


どうしていいのか、そもそもどうしたいのかすらわからず、ただ気付いたら絶望の谷を転げ落ちていった潘金蓮。それは世間に流されて生きる現代人にも起こりうる恐怖であり、同時に警告なのかもしれないと思いました。


そして今作はとにかくヒロイン役の木村はるかさんの演技が素晴らしかったです。そして調べてみたら脚本と構成も森悠、つまり木村はるかさんでした。さらに言えばあの名劇『きんとと』も彼女の脚本でした。おそろしい才能やで。


あと李瓶児のセリフ。

「かわいそうだから殺したの」


しびれました。