おおかみこどもの雨と雪


時をかける少女』で近年稀に見る名作を世に送り出し、『サマーウォーズ』でスタッフが再集結すると聞いたときは、とは言っても所詮二作目だろうとあまり期待はしていなかった。ところが蓋を開けてみれば前作を凌ぐ名作。ここに来ての三作目。期待感はもはや最高潮で、あとはどこまでその期待を裏切ってくれるかという想いを胸に見に行ったら、まあこんなものかと思ってしまった。面白いのに、たぶん面白いのに、期待感がそれを上回ってしまった。


テーマはもちろん“母の強さ”。この子たちに強く生きて欲しいという母の一途な想い。そしてそれに子供ながら一生懸命応える雨と雪。テンポの良さが心地良い。一方で盛り上がりには欠ける。まさにヒューマンドラマ。いや、“ウルフ”ドラマ。


個人的には三人が雪の上で笑うシーンがすごく印象に残ってる。ジブリ作品でもそうだけど、アニメーションって笑顔がいいのよね。実写の演技ではなかなか表現できない、こっちまで心から笑いたくなるような、そんな魅力が表れる。だから最後までずっと笑顔を絶やさなかった花からは、母としての強さがすごく伝わってくる。


でもたぶんBDは買わない。たぶんね。

映画「おおかみこどもの雨と雪
http://www.ookamikodomo.jp/index.html


細田監督のロングインタビュー。

INTERVIEW『おおかみこどもの雨と雪』の細田守監督「アニメがもつ記号性を、一度解体する必要があった」 WIRED.jp
http://wired.jp/2012/07/21/interview-hosoda-mamoru/


合わせて富野監督の絶賛記事もどうぞ。

富野由悠季:「おおかみこどもの雨と雪」を異例の大絶賛 - MANTANWEB(まんたんウェブ
http://mantan-web.jp/2012/07/20/20120720dog00m200050000c.html