イニシエーション・ラブ / 乾くるみ / ★★★★☆

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

彼女との出会いは合コンだった。僕たちはお互いに惹かれ合い、愛し合い、甘い甘い恋人生活を送った。そしてそれが永遠に続くと、疑わなかった。大学生の初心で純粋な恋愛模様を描いたラブストーリー……のはずが!最後の二行で突きつけられる現実をあなたは果たして受け入れられるか。


再読。前回はオチを知らずに読み、今回はオチを知った上で読みました。前回読んだ時は「ミステリー的な要素も内包してなくもないけど、それはあくまでもスパイスで、やっぱりこれは恋愛小説」なんて思って、実は今回もまったく同じで、ちょっとスパイスの効いたラブストーリーでした。でも本作で使われたスパイスは小説だからこそ効くのであって、小説の魅力をうまく引き出している作品です。


ネタバレしたくないので書きませんが、123ページの4行目のセリフ、シビれます。

「ありがとう、たっくん。……私もたっくんのこと好きです」


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