ナイチンゲールの沈黙 / 海堂尊 / ★★★☆☆

ナイチンゲールの沈黙

ナイチンゲールの沈黙

ミステリーモノとしては前作を超えてる気はするけど、いまひとつ拭えないこの違和感。前作があれだけリアリティにこだわっていたのに、今作はファンタジー色すら漂う。そのギャップがちょっと気持ち悪い。「歌」を題材にしたかった作者の意図はわかる。でもそこまでその「歌」を超現実化する必要があったのかなって。海堂ワールドはやっぱり好きだが、もはや病院はただの舞台であって、医療というジャンルではないよね。

「自分の命を粗末にする人からの贈り物には何の価値もない。人は自分が一番大切にしているものを、大切な人への贈り物にするの。あなたの大切なものは何?それを私にちょうだい。でもきっとあなたには本当に大切なものがないのよ」


(2/50)