勝手にふるえてろ / 綿矢りさ / ★★★☆☆

勝手にふるえてろ

勝手にふるえてろ

蹴りたい背中』の綿矢りさ。なんとも若き作品よ。悩み多きヒロインも、懐かしい青くささも、拙い文章も、小説としてどこか物足りない感じも。歳と共に失ったものを思い出しながら、次は彼女の、もう少し成熟した作品を読みたいと願う。

とどきますか。とどきません。光りかがやく手に入らないものばかり見つめているせいで、すでに手に入れたものたちは足元に転がるたくさんの屍になって、ライトさえ当たらず、私に踏まれてかかとの形にへこんでいるのです。


(33/50)